さて最後にご紹介するのは、ディズニー・リゾートに匹敵する規模を誇る、コロニアル・ウィリアムズバーグです。
確かに単純に規模だけを比較したらフロリダのディズニーワールドの方が大きいでしょうが、一日ではとても見て回ることができない滞在型のリゾートであり、内容の濃い趣向を凝らした展示やツアーには目も見張るものがあります。
場所はバージニア州の中央にあり、ワシントンDCからはそれほど遠くありません。ただ、日帰りではなく、2・3日じっくり滞在して見学したいものです。
入場者はビジターセンターから出発する専用のバスで回りますが、建物が点在する園内には明確な境界がなく、普通の街並みが歴史的建造物になってしまったような感じがします。
これまでご紹介してきた博物館が、どちらかと言えば庶民の暮らしぶりを伝えようとしているのに対し、ここでは18世紀の暮らしぶりを紹介するに留まらず、当時の上流社会の生活や、建国に携わった人たちの姿や政治・経済の様子を知ることができます。
また、本来は宿であったり酒場であったタバーン(Tavern)と呼ばれるレストランでは、昔のままの雰囲気の中で食事をすることができます。
その中の一つであるChristiana Campbell’s Tavernは、ジョージ・ワシントンのお気に入りだったそうで、当時を再現した素朴でボリュームのあるメニューを楽しむことができます。
夜になると、季節に合わせた特別なツアーが催されます。夜の明かりの中で聴く弦楽奏などは、昼間に見学したのとはまた違った雰囲気を味わうことができます。
夜の街頭では兵隊の行進があったり、クラフト製品のオークションを当時の衣装のままでやっているのに参加したり、朝から晩まで一日中園内を楽しむことができます。
ホテルはリーズナブルなホテルチェーンから選ぶことももちろんできますが、かつてモービル・トラベルガイドで5つ星を取ったWilliamsburg Innなどは、たとえ宿泊しなくても一度は中を覗いてみたいものです。
バージニア州には、他にはあまり訪れるべき場所が多くありませんが、夏場の絶叫系遊園地としてはビールでおなじみのブッシュ・ガーデンがすぐ近くにあります。
また、ニューヨーク市に向かって戻る場合は、Chesapeake Bay Bridge-Tunnel (CBBT)を通るのはいかがでしょうか? 今では東京湾アクアラインができましたから珍しくなくなりましたが、1964年に完成したという20マイルに及ぶ湾内橋とトンネルはなかなかの迫力です。
また、アトランティックシティでギャンブルに興じるのも、ウィリアムスバーグとは全く雰囲気が違っていて、おもしろいかもしれません。
さて、USの歴史博物館をご紹介してまいりましたが、どの博物館も歴史を十分に説明して正しく伝えていこうという気持ちが伝わってきて、それほど歴史に興味のない人でも自然に理解できるように工夫されています。
遊園地のようなリゾートも楽しいものですが、これらの歴史博物館を訪れてみるのも、知的な刺激があってよろしいのではないでしょうか。
- Colonial Williamsburg Foundation (http://www.history.org/)
- Chesapeake Bay Bridge-Tunnel (http://www.cbbt.com/index.html)
- Atlantic City, New Jersey (http://www.atlanticcitynj.com/)