62.鉄腕アトムの誕生日 (2003/04/05)

さて、2003年4月7日は、いったい何の日だか分かりますか?(宝塚ファミリーランドの閉園の日ですが、それはさておき、)鉄腕アトムの誕生日という事になっています。


鉄腕アトムがテレビで放映されていたのは、1960年代だと思うのですが、その当時では、40年後には実現していると思われた未来の姿が、今我々の目の前にある現実と言うことです。期待された通りになったと言えるでしょうか?


マンガや映画で想像される未来には、大きく分けて2つのタイプがありました。近代的な超高層住宅が建ち並び、空間を移動する乗り物でその間を自由に行き来すると言った明るい未来のタイプと、核戦争で荒れ果てた都市で、いつまでも戦争を繰り返す暗い殺伐とした未来のタイプです。


確かにアトムの中でも、人間とロボットが争っていましたし、同じ時期の鉄人28号も、かなり破壊的だったと思います。


なぜアトムのような子供向けの番組が、破壊的場面を多く持つか?それは、破壊する方が簡単で面白いからです。怪獣が出てくるウルトラマン系の番組でもそうでしたが、例えば東京タワーが出てくれば壊すためであり、ウルトラマンがその身長を生かし、タワーの建設に従事するというのは、教育的には良いのですが、番組としては進行が遅すぎて面白くないでしょう。昔から、プロジェクトXがあったなら、採用されたかもしれませんが。


結果として、アトムのような子供向け番組では、悪と戦う正義の味方と称して、破壊行為を繰り返したのです。まさに、今のアメリカのように!


明るい未来と言うより、結局は破壊行為をしていたのですから、アトムと言えども戦争の兵器と変わらないと言う事もできます。そう考えれば、アトムの誕生日を迎える今、やっていることはあまり違わないのかもしれません。当たらずとも遠からずという所でしょうか。