642.携帯電話とインターネット (2007/07/02)

iPhoneがUSで発売され、入手が困難なほどの人気だとか。iPodで携帯音楽プレーヤーの市場を席巻した勢いをそのまま、携帯電話の分野に持ち込むところは、さすがにアップルの商売のうまさを感じます。


日本では、商品の不良や修理の対応への不満が多いとされているアップルですが、製品品質やカスタマーサービスなどは二の次とばかりイメージ戦略優先で突き進む辺りは、何事に対しても横一列に並びたがる日本の企業には、なかなか真似の出来ないことです。


日本のウォークマン携帯が、携帯音楽プレーヤー機能が携帯電話の附属品の立場に甘んじているように見えるのに対して、iPhoneは携帯電話の機能を飛躍的に向上してくれるのではないかと期待させるところに、アップルの戦略の巧みさがあるように思います。


ところで先週号の日経ビジネスの記事によると、日本での携帯インターネットサイトの利用がほとんど増えていないとのこと。


日本では携帯電話の機能が充実していて、インターネットの普及率も世界一のレベルだと聞いていましたから、さぞかし携帯電話からインターネットを利用する人が多かろうと想像していたのですが、どうもそうでもない様子です。


そもそも携帯サイトの数が限られている上に、ヤフーなどの検索サイトの結果が使いづらいそうです。携帯電話によるインターネットではリンクを辿る事をしないため、相互リンクの多さによって検索結果の掲載順位を有効的に決められないそうです。


さらに検索サイトではクローリングさえ拒絶するサイトが多いそうですから、検索結果の制度を高めることも容易ではなさそうです。ヤフーの社長に、携帯サイトにはろくなものがないとまで言われる有様です。


日本でインターネットの普及率を押し上げているとされてきたのは、ほとんどが携帯電話のメールなのですが、携帯電話会社間の接続に利用しているに過ぎません。その上、コンテンツを提供する携帯サイトがほとんどないのですから、まだ日本ではインターネットが十分普及しているとは言えないでしょう。


携帯電話は確かに普及しました。誰でも簡単にインターネットにアクセスが出来るように見えます。しかし、それは携帯電話キャリアが自前のインフラを補うために、ごく一部のインターネットの回線機能を間借りしているだけなのです。


インターネットの情報を参照するために携帯電話会社の回線を経由し、そのたびにパケット使用料を支払う今の仕組みは、回線使用料を収入源とする旧来の電話会社の域を抜け出ていません。


インターネットの膨大な情報を取り扱うためには、携帯電話の課金システムとは別の仕組みによるネットワークが必要になるでしょう。


スティーブ・ジョブスがiPhoneで目指したのは単なる携帯電話付きのiPodではなく、これまでで最高のiPodであり、それと同時にこれまでにない斬新な携帯電話であり、さらに世界初の胸ポケットに入るインターネット端末だそうです。


PDAは今や全く勢いを失ってしまいましたが、iPhoneの登場によって、新しい世代のPDAが増えることを期待したいと思います。

“642.携帯電話とインターネット (2007/07/02)” への2件の返信

  1. ほうき星様、
    コメントをありがとうございました。WinMobileに行きたくない人がMacなら許せると、iPhoneがブレークするのではないかなと思っております。携帯端末でのネットは、まだまだ何があるか分からないですね。擬似スマートフォンのアイデアは面白いですね。

  2. 携帯電話からインターネット、iアプリのサイトスニーカーとnPOPで疑似スマートフォンを実現できないかと試していましたが、
    サイトスニーカーは2G向けサービスを終了し、nPOPはうまく動かず、目論見は挫折してしまいました。
    Palm版Treoが日本でも使えるのなら飛びつくところですが・・・
    最近メインのネット環境がWILLCOMからADSLに移ったので、AirH”カードをアドエスに変えてもよいのですが、
    慣れないWinMobileにはなかなか踏み出せないでいます。

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