先日のクレジットカードによる国際電話の話の続きです。あれからいろいろとインターネットを検索していたのですが、いくつか発見がありましたのでここにまとめてみたいと思います。
USのサイトにおいては、この問題は既に「詐欺」(scam)事件として扱われています。しかし、残念ながら日本にはこれらの苦情を専門に扱うサイトがないため、先日もご紹介した一部の海外旅行関連のサイトの掲示板や、個人サイトのコメントとして掲載された情報が参照できるに留まっています。
この問題は、国際電話の発信国、つまり旅行者が滞在し国際電話をかけようとした国・地域が、世界中に広がっていることです。2005年から被害が報告されているようですが、問題が解決されるどころか一気に全世界の公衆電話に広まってしまったようです。
海外で詐欺に会う場合、本人の不注意が原因であると片づけられることが多いのですが、今回の"BBG Communications"、"INFONAA"ならびに"INFONW"というUSに存在する企業が絡む事件は、十分注意していても引っかかる恐れがあります。
NTTコミュニケーションズが提供する「国際クレジットカード通話」は、海外から専用のアクセス番号を入力することによってNTTコミュニケーションズに接続し、その後クレジットカード番号を入力することによって、安く国際電話を海外からかけることが出来るサービスです。
しかし、NTTコミュニケーションズのサイトに書かれた情報によると、海外の一部の電話から利用した場合、途中から自動的に他社のサービスに強制的に接続されてしまい、高い通話料金を請求されるという事件が報告されているそうです。NTTコミュニケーションズの正規のサービスと同様に、日本語のガイダンスが流れるため、別の電話会社のサービスに切り替わっていることに気付かないようです。
同様に、KDDIのサービス「スーパージャパンダイレクト」を、海外の一部公衆電話から利用すると、他社のサービスに強制的に接続される場合があるようです。
KDDIのサイトには、「KDDIスーパージャパンダイレクトご利用に関するご注意」という警告があります。「こちらはKDDIです。カード番号とシャープをどうぞ」というアナウンス聞き逃さず確認するよう呼びかけています。
ただ、さすがにここまで被害が広がって来ましたから、いくつか対策を講じる動きが出てきているようです。
スイスの政府機関である"The Swiss Federal Communications Office"は、法外な国際電話料金をユーザーに課してきた"BBG Communications"に対し、スイス国内の電話回線に接続する事を禁止したそうです。観光が重要な資源であるスイスにとって、観光客が国内で詐欺に遭うのを見過ごす訳にはいかなかったのでしょう。
また、日本のクレジットカード会社のうち、一部ではすでに全額返金に応じ始めているそうです。(顧客重視のクレジットカード会社か?)私が確認した別のクレジットカード会社では、国際業務部でこのような国際電話のクレジット請求が以前から頻発しており、それが異常に高い電話代であることをすでに認識していたそうです。
犯人が誰だか分からないスキミングと違って、クレジットカード会社はこの国際電話の会社と契約しているのですから、その振る舞いにはクレジットカード会社は相当の責任を持つ必要があると思います。さもなければ、クレジットカード会社自体の信用(クレジット)が危うくなります。
このクレジット国際電話詐欺事件が、一刻も早く収束することを願っております。(他人事のように言っている場合ではありません。)
629.「クレジットカードによる国際電話にご用心」の顛末 (2007/03/29)
昨年、「608.クレジットカードによる国際電話にご用心 (2006/10/30)…