そもそも、Blogをコミュニケーションの為のツールであると定義するところから、誤解が生じて来るようです。
Blogを使ったサイトがさらに進化していくと、もっと優れたコミュニケーションの手段が必要になり、それを実装したツールが、Blogに取って代わる次世代のサイト構築ツールになると考えがちです。SNSツールが、次世代のウェブツールの主流になると予想されていたとしても不思議ではありません。
確かに、HTMLを直にコーディングしたサイトと比較すれば、Blogはコメントやトラックバックなどのコミュニケーション機能に特徴を持っています。しかし、Blogが持つコミュニケーションの機能だけを将来にわたって拡張していけば、さらに優れたウェブツールになるかと言えば、そうとも言い切れません。
つまり、Blogがこれほどまでに広まってきたのは、優れたコミュニケーション機能を持っていたからだけでなく、Blogのコンテンツ管理ツールとしての利便性が受け入れられたからではないかと、考えられるようになってきました。
現在では、BlogとCMS (Contents Management System) を区別せずに、BlogをCMSのひとつの形だと見なす場合もあるようです。
よく引き合いに出されるのは、もう一年以上前のものですが、ITmediaの「主要Blog、CMSツール機能比較(2004年7月版)」と言う記事です。BlogとCMSの言語やデータベースを一覧表にしていますが、特に日本語環境の程度を記載しているところがありがたいです。
ここでもBlogとCMSのどちらに分類されるか困難なツールがあると書かれていますが、BlogとCMSの違いを次のように定義しています。
- Blog
- 日常の備忘録の為のツールで、トラックバックやping機能を持つ。
- CMS
- サイトのコンテンツをモジュールごとに管理して、ページ上の配置やコンテンツをGUIメニューで変更する機能を持つ。
Blogはデーターベースによってコンテンツを管理し、ウェブ上で利用可能なcgiによってコンテンツの管理やレイアウトの修正を行うことができます。また、サイト内のページ間リンクや、日付順・テーマ別のインデックスを自動作成する機能は、正にCMSそのものと言って良いでしょう。
このことから、コメントやトラックバック機能は、CMSが提供する機能の一部であると考えられるようになってきました。実際、ほとんどの大規模CMSには、これらをサポートするモジュールが装備されているようです。
Blogが今後どのように発展していくかを考える時、CMSという枠組みの中で捉えることが重要になって来るでしょう。
では次回は、もう少しCMSについて勉強してみたいと思います。