今、新しいIP電話として注目を集めているスカイプは、次のようなビジョンを掲げています。
Skype は、優れた音質の通話サービスを世界中の消費者に無料で提供して通信業界を変革するグローバルP2P テレフォニー カンパニーです。
この中のすぐれた音質と無料と言うのが、スカイプの特長を端的に表しています。すなわち、
- スカイプにユーザー同士なら、世界中どこでも無料で通話することが出来る。
- 世界中の一般電話や携帯電話とは、格安の料金で通話することが出来る。
- これまでの携帯電話より、すぐれた音質で通話することが出来る。
ルクセンブルクに本拠地を置くこの会社は、38歳と28歳の共同創業者によって設立されました。まだ事業が始まったばかりであるにも関わらず、パートナー企業にはジーメンスやモトローラを始め多くの企業が名を連ね、日本からはLivedoorやBUFFALOが参加しています。
スカイプの面白いところは、始めから無料でユーザーに提供するためのビジネスモデルを構築しているところです。
通常のIP電話は、一定の通信品質を保つために、サービス分配器(SMD)を使って、一般のインターネットの回線とはL2レベルで別の専用回線に分けて、信号のやり取りをしているそうです。
その為には専用回線と同時にIP電話の信号をコントロールするためのサーバーが必要になり、多大な投資とメインテナンスを継続的に行う必要があります。
しかし、スカイプは専用の回線を必要とせず、一般のインターネットの回線だけを通じて通話を行うことが出来ます。その為に、複数の伝送経路を常時確保し、回線の品質の変化に応じて動的に経路を切り替える技術を採用しているそうです。
又、IP電話のサーバーに代わってユーザー間のアドレス情報を制御するために、ユーザーのパソコンの中で処理能力に余裕のあるマシンに、サーバーの役割を動的に割り振っているそうです。
この為、専用回線やサーバーに投資することなく、ユーザーの増加に対応できるIP電話システムを構築できるのです。
では早速無料のソフトウェアをダウンロードして、試してみることにしましょう。スカイプのサイトから、無料のダウンロードページに進むことが出来ます。登録とインストールが完了すれば、すぐに通話を試すことが出来るようになります。
既に知り合いがユーザーになっている場合は、すぐにトライアルが出来ますが、話し相手がいない場合は試すことが出来ません。そんなときはLivedoor Skypeに行けば、4人の方々がスカイプのお試し相手として待ちかまえています。
何と、あの堀江社長もいらっしゃるではありませんか。ひょっとして直接話すことが出来るかも知れません。ただ実際は、録音されたメッセージであったりうまくつながらなかったりと、運試しと思った方がよいかも知れません。
さて、ソフトウェアをダウンロードされた方はお気づきだと思いますが、スカイプが現在対応しているOSは、
- Windows 2000 and WP
- Mac OS X 10.3以上
- Linux
- PocketPC 2003
の4つだけで、残念ながらPalmOSには対応していません。
この理由はいくつかあるようですが、「PalmOSはマルチタスクに弱い。」とか、「WiFi対応のPalm機は、DellのWiFi対応PocketPC機より高すぎる。」などと言われているそうです。
とりあえず、PalmOSへの対応が近々アナウンスされると言う噂が長い間ささやかれていますから(?)、今は期待しながら待つしかないようです。
さて、地球上のあらゆる通信ビジネスを、すべて消滅させてしまうとも言われたスカイプが、私たちの生活に何をもたらすかを、次回は考えてみたいと思います。