464.「それがPSPの仕様だ」 (2005/01/25)

巷で人気品薄状態が続いているプレ一ステーション・ポータブル(PSP)で、ゲーム中にボタンを押しても反応しないと言うクレームがあるそうです。


「それがPSPの仕様だ」とはソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の久多良木社長の弁。日経BPの企業・経営の記事として掲載されています。


どうも液晶画面に一番近いボタンの接点が、スペースの制約上ずらした位置にあり、うまく押し込めない場合があるらしいのです。ただこれは、使い方によって解決するべきで、ボタンの位置も狙ったのであって間違ったわけではないとの事です。そして世界で一番美しいものを作ったという自負があるようです。


確かにPSPの筐体には、作りこまれた美しさのようなものがあるのかもしれませんが、ボタンのレスポンスが悪ければゲームの面白さも半減するでしょうから、ユーザーとしてもそのまま引き下がるわけにも行かないところです。


作る側も使う側もPSPが好きなればこその確執ですから、お互いにこだわりを主張することは良いことでしょう。


ただ、社長がおっしゃる、「著名建築家が書いた図面に対して門の位置がおかしいと難癖をつける人はいないのと同じことだ。」と言うのには少し疑問を感じます。


著名建築家だからと言っても、施主がダメだと言えばダメなのであって、何でも好き勝手にできる訳ではないでしょう。もちろん施主を納得させる事ができれば別ですが、それでも施主が「門の位置がそこでは使いづらいから変えて欲しい」と言えば、建築家は設計を変えざるを得ないのです。


会社がある程度のポリシーを持っていることは必要でしょう。ユーザーがすぐに理解できない場合でも、「黙って付いて来い!」という姿勢も大切かも知れません。


しかし、ボタンが押しにくいデザインは、ただ制約があったために妥協した結果に過ぎず、それ自体にユーザー我慢をしなければならないポリシーを見出すことはできません。


是非私が買うまでには、押しやすいボタンに改善しておいてもらいたいものです。(買うんかいな?)