439.ローマ字の宿題 (2004/12/26)

小学4年になる子どもが、学校の冬休みの宿題をやっています。ローマ字を勉強しているようです。


この書き方で合っているかと聞くのでのぞき込んでみると、「しゃ → sya」「ちゃ → tya」、、、と答えを書いています。「うーん」、と唸ってしまったローマ字かな入力の達人のお父さん(それは私)


ちょっと国語の教科書を眺めてみるとこれらの答えは合っているようですが、別冊になったローマ字ドリルでは異なった書き方として、「sha」「cha」も習っている様子です。試しにパソコンではどちらも同じ仮名に変換されます。


思えばパソコンのローマ字入力に慣れていないときは、「を」だけはローマ字で入れることが出来ず、仮名入力モードにして入れていたことがありました。また「づ」を入力するのに「du」を使うことも、初めの頃は知りませんでした。


ヘボン式のローマ字をはっきり意識したのは、パスポートを初めて作ったときでしょうか。JCBカードは10数年前まで訓令式を使っていましたが、最近のクレジットカードはすべてヘボン式を採用しているようです。


小学校で習うローマ字表記は訓令式で、日本語の五十音表をそのままローマ字に置き換えたものに近く、ヘボン式は英語の発音に近くなるようになっているのですが、さらにこれらとは異なる日本式なるものまでありますから、実際の使われ方は混乱を極めます。


会社などで、本名をローマ字表記したものをメールアドレスに使うことがありますが、本人が自由に設定できる場合は、その人がどの表記法を使ったかによって様々なバージョンがあり得ます。そんなときはいくつかの表記方法を試しながら、正しいメールアドレスを探し出すことになるのです。


例えば、野球の王監督の場合、小学校で習うのは、「O^」(Oの上に山形)ですが、監督のユニフォームには「Oh」と書かれていますし、ヘボン式なら「O」の一字だけになってしまいます。その時々に応じて書く人が選んでいますから、かなりややこしいと言わざるを得ません。


それぞれの表記法には長所と短所があり、日本語の成り立ちを中心に考えるか、英語圏の人に発音しやすいように考えるかなどの視点があります。ただ、パスポートなどの公的な文書で指定されているのがヘボン式だとしたら、それに統一する方が無駄な混乱を避けることが出来ると思いますが、そうは簡単に行かないのが常のようです。


話しは少し変わりますが、今や「じ」と「ぢ」は同じ発音になっていますが、本来は違う発音をするものだという事をテレビの番組で見たことがあります。香川県辺りのお年寄りの方で、この発音を使い分ける人がいると言うことで、それぞれの発音を言い分けられていましたが、昔の日本語では「じ」も「ぢ」も同じ「ji(zi)」ではなかったのでしょう。


訓令式が日本語の五十音表をそのままローマ字に使っていると言われていますが、五十音表そのものを現代の発音に合わせて作り直すことが必要なのかも知れません。


しかし、教育問題はさておいて、子どもが書いたローマ字が正しいかどうかを、ローマ字表記表を睨みながら確かめているお父さんは、あまりかっこいいものではありませんね。