416.車内迷惑十傑 (2004/11/26)

日本は決して広い国ではありません。人口密度を考慮すると、かなり混み合った部類に入るかもしれません。さらに特殊な環境下においては、息が詰まる程混み合った状況も少なくありません。


例えば満員電車の中では、一人の乗客に許されたテリトリーはごく限られたものになります。その狭いテリトリーを少しでもはみ出せば、すぐに隣の他人の場所を侵害することになるのです。


すなわち、日本の満員電車で他人に迷惑がかからないようにするためには世界最高レベルのマナーが求められるのです。


はみ出す物は、形のある物体の場合もあるでしょうし、眼に見えなくとも周囲に発散されているエネルギーの場合もあるでしょう。ここでは私個人の独断により、電車の中で迷惑な物(人ではありません、物です!)の十傑を思いつくままに羅列したいと思います。(10個もあるのかいな?)


1.携帯電話


電車に乗ったら必ず携帯電話の取り扱いについてのアナウンスを聞くことになりますから、携帯電話が一番電車内のマナーとして注目されているのでしょう。


大きな声で通話する人がいると言う事だけならマナーの問題で済みますが、心臓ペースメーカーの誤動作を引き起こすことがあるとなれば、規制されるのは仕方ありません。


しかし、特定車両や優先座席付近で電源を切るようにお願いされたとしても、実際に従っている人がどのぐらいいるのでしょうか?あるいは全く逆に、優先座席に座りながら通話している人も見かけることがあります。


電源を切らなければならない場合でも、マナーモードにしているだけの人も多いのではないでしょうか?そもそもマナーモードと電源を切ることの違いを理解している人が、どのぐらいいるのでしょうか?


それからメールをしているのは良いのですが、キーを押すたびに「ピーピー」とビープ音を鳴らしているのは如何なものでしょう。この音はかすかな音でも耳に残るので不快なものです。


2.ヘッドフォンステレオ


車内で使用する為に、周囲に音が漏れない仕様にしたヘッドフォンが売られていた事がありましたが、最近はどうなのでしょうか?相変わらず大きな音を「シャカシャカ」させて聴いている人がいるのには参ります。


不思議なことに、この手の人が聴いている音楽は、なかなか終わらないことです。そしてやっと1曲が終わったかと思えば、また同じ様な曲が始まるのです。


特に不快なのは周りには高音しか漏れてこないことです。低音はエネルギーが強い割りに伝搬しにくく、高音だけが遠くまで良く聞こえるのです。


聴きたい曲をフルトーンで聴いている本人は良いのですが、聴きたくもない音楽の、しかも高音だけを聴かされ続ける事は苦痛以外の何者でもありません。


また、英会話を朝の通勤電車で聴くのは結構なのですが、突如としてボソボソと反復練習をするのはやめていただきたいものです。


3.新聞紙


英国でも高級紙と呼ばれる新聞がタブロイド版に変わりつつあるようですが、日本では一般紙はまだ大型の新聞紙を使っています。この大きさの新聞紙を朝の満員電車で読んでいる人は、いくら注意を払っているつもりでも必ず他人のテリトリーを侵害してしまいます。


新聞紙を縦と横に折り曲げて小さくすれば週刊誌程度の大きさにすることが出来ますが、そこまでやっている人はそれ程多くはありません。


また、バサバサと新聞をひっきりなしにめくり続ける人もいます。もう少し記事を読んだらどうかと思うのですが、読んでいるよりめくっている時間の方が長い人がいたりします。


このような人にパームをお勧めしたいものですが、めくるのが好きな人にはパームは物足りないのでしょうね。


4.ディバック


背中に背負うタイプの鞄は、自分からは見えなくなるので身軽に思ってしまいますが、背中の出っ張りは本人の想像をはるかに超え、ゆうに2人分のスペースを取ってしまいます。


電車の中で、他人同士がお腹とお腹をつき合わせることはあまりありませんが、背中となら仕方がありません。ところが、ディバックを背中に背負って電車の乗ると、背中に余分なスペースが必要になってしまいますから、思った以上に邪魔になるのです。


出来る限り混雑した電車の中では、お腹側に抱えるようにしてもらいたいものです。


5.咳とくしゃみ


咳とくしゃみは風邪を伝染する元凶と言われていますから、誰もが避けたいものです。止まらないような咳やくしゃみが続く場合は、最低でもマスクの着用は必要でしょう。


そもそもそのような時には、人の前に出るべきではありません。これから、インフルエンザが流行り出す時期ですが、人に移さないためにも、人から移されないためにも、マスクの着用を心がけたいものです。


6.ビールとスルメ


これはあまり大都会では見かけないかも知れませんが、近郊を走る電車で仕事帰りの人がよく持ち込むものです。ビールの変わりにワンカップというのもありますが、いずれにしても酒場でないところで漂ってくるお酒の臭いは、あまりうれしいものではありません。


さらに、スルメやイカの薫製が加わるともう最悪です。駅のキオスクで売るなら、周りに臭わないビールやスルメを売ってもらいたいものです。(そんなものがあるかどうかは知りませんが。)


たまに数人で酒盛りの様になっている事がありますが、ここまでやればもう周りの事は見えていませんから、隣の車両に退散するしかないでしょう。


7.お弁当


まだまだ迷惑は続きます。


これはないだろうと思うかも知れませんが、意外と電車で食べている人がいるのです。勿論、お弁当を売りに来るような長距離列車なら誰もが食べるので問題ないのですが、通勤電車で平然と弁当を開けられると、その違和感がたまりません。


またこれが意外と臭うものです。食欲をそそるように香り豊かな食材をふんだんに使っているのでしょうが、周りからすればただの悪臭に過ぎません。早く食べ終わるのを待つのみです。


それから空き缶が車両の中を転がり回っていることはありませんか?ごみを足元に置いて降りて行くのはやめてもらいたいものです。


8.オバタリアン


既に死語でしょうか?しかし絶滅はしていません。


もっともオバタリアンにはそれほど根性がありませんから、地獄の様な通勤電車には現れません。しかし、少しでも余裕のある電車になると、いつの間にか数人のオバタリアンが固まっていて、甲高い声でエネルギーを発散しています。


驚くことに、いくら会話に熱中していても、席が空くのを狙い続けていることです。席を見つけたときの素早さは、通勤電車の常連客に決して引けを取りません。


9.ノートパソコン


私はそれほど気になりませんが、それでもあまりにも忙しなくキーボードを打ちまくられると、もう少し静かにならないものかと思ってしまいます。


パソコンに限らず周りに迷惑が掛かる物の特徴として、本人が没頭してしまう事があります。ですから、自分のパソコンの世界に入り込むことが出来る人の場合、かなりの確率で周りにエネルギーをばらまいている可能性があります。


キーインの音がうるさくなければ、別に膝の上において作業する分には何ら迷惑になるわけではありません。ただ、少しばかり何をやっているのか画面を見たくなる衝動に駆られるのは、こちら側の問題ですね。


10.お化粧


「電車の中でお化粧はおよし、、、」


まあやっている本人はそれほど気にしていないのでしょう。また、周りの人も別に大して迷惑だと思っていないかも知れません。


ただ、あまりにも粉っぽい化粧をしていたり、香水の匂いがきつかったりした場合は、ちょっと息を止めたくなってしまいます。


お化粧をしている姿が美しい人も世の中にはいるのでしょうが、電車の中でしている人はそれなりの人が多いでしょうから、余計に迷惑さが増大するのかも知れません。


まとめ


さて、日本の通勤電車の混雑度は、世界でも稀にみるものです。通勤電車に限らず住宅やオフィスにおいても、他人との距離は接近していると言えるでしょう。


他人と接触する機会が多い環境においては、本来マナーが重要な意味を持つはずです。しかし、残念ながら今の日本ではマナー道徳と言うことをあまり重要視していないように思われます。


実際の混雑した電車の中でトラブルが少ないとしたら、それは他人に迷惑を掛けないようにマナーを守っているからではなくて、単に迷惑に我慢している人が多いだけなのです。


我慢には限界があります。出来れば、我慢はしない方が良い。我慢しないで過ごせる社会にしたいものです。


ところで、車内迷惑十傑に入っていないパームは、満員電車で迷惑を掛けていないと言うことですね。手のひらサイズだから、隣の人の迷惑になることがないのでしょう。


「えっ、パームを電車の中で使っている人を最近見かけたことがない?」


迷惑になるほどパームを普及させたいものです。

“416.車内迷惑十傑 (2004/11/26)” への2件の返信

  1. 音っとっと様、
    どうもコメントをありがとうございます。確かに接近して生活しているからこそ、おっしゃるとおりマナーを守るより周りを気にしない行動を取るのかも知れませんね。本当の満員電車でマナーを守っていたら、乗ることも降りることもできないかも知れません。

  2. ぱむとろさん、はじめまして、音っとっとと申します。
    いつも楽しく拝見しています。
    今回のエントリも、頷きながら楽しませてもらいました。
    ところで、車内迷惑ですが、日常的に極近接状態での生活をしている為、周りに関知しないという習慣から派生している部分もあるのではないかと思います。
    私の住んでいるような田舎町では、いつどこで知り合いに見られているかわかりませんので、へたな事は出来ません。(したいわけではありませんが・・。)
    いづれにしろ、もう少し周囲に気を配って欲しいと思う事が多くなりました。

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