「ROBOT解体LIVE2004」なる催しものが、今年の夏休み全国の数都市で開催されてきました。夏休み以後にも追加開催されましたが、そのうちの大阪会場へ先月行って参りましたので、その様子をお伝えしたいと思います。
タイトルからすると何か恐ろしい事が起こりそうな予感がありますが、要するに会場に来ている子どもたちがステージに上がり、ロボットを分解して行くことによってそのメカニズムを勉強してみようというイベントです。
未来ロボット技術研究センターが主催し、所長が自ら子どもたちに解説しながら分解の方法を伝授しながら、その過程であらわになってくる数々の部品の機能を説明してくれるのです。「先端技術の隅々まで解剖解説するLIVE型知的アトラクション」と言う触れ込みも、まんざら大げさではありません。(いや、少し大げさかも知れません。)
インターネットで予め申し込んだ人には、ロボットの記念切手1シート(郵便局で使える本物)と豪華なパンフレットが頂けてしまい、しかも無料なのです。これは行かない訳には参りますまい。(ただし今年は全て終了!)
行った時には既に会場は600人以上の参加者で埋め尽くされ、解体されるロボットの登場を生唾を飲み込んで、今か今かと待っている様子です。(生唾はいらない!)
morph3と名づけられた人間型ロボットの説明が一通り行われると、ついに解体LIVEの始まりです。会場の子どもたちが1-2人ずつステージに上がり、精密ドライバーでロボットの腕や脚を順番に取り外していきます。
この所長が、また軽妙なしゃべり口で見事に子どもたちをトリコにしていくのです。ステージに上がった小学校低学年ぐらいの子どもたちは、手先の器用な子から、いつまでも外れないとネジを右に回し続ける子まで、みんな真剣にロボットに向かい合っていました。
1時間半ぐらいのLIVEは、解体の合間にスライドを見せたりロボットの解説をしながら、あっという間に終わってしまいました。その後所長への質問コーナーが設けられ、大勢の方々が行列を作って、所長と話をしたりロボットを触ることができました。また所長と話をした後は、みんな決まってロボットと記念写真を撮っていました。
おもしろいのは、会場に来ていたお客さんが2つの異なるグループに分かれることです。1つ目は小学生ぐらいの子どものいる家族連れ。予想したとおりです。もう一つは、20歳前後の大学生か企業でロボットを研究しているように見える男性です。
子どもがロボットを抱えてうれしそうな顔でポーズを取っているのは微笑ましいですが、大人の男性がロボットを抱いてニッコリ写真に収まっている様は、あまり絵になるとは思えませんでした。
中学、高校生辺りがほとんどいなかったのが気にかかりましたが、この会場でロボットを見た少年たちの中から、将来夢のあるロボットを作ってくれる研究者・技術者が生まれてくるような予感を感じながら、会場を後にしました。