「209.木の温もり」の雑記で、ビクターから発売される木で作られたスピーカーの話を紹介しましたが、昨日梅田のヨドバシカメラで試聴して参りました。製品を紹介しておきながらそのままになっていたので気にはなっていたのですが、素人の試聴レポートで参考にはなりませんが少し書かせていただきたいと思います。
EX-A1と名づけられたその製品は、DVDプレーヤー(DVD内蔵コンパクトコンポーネントシステム)として販売されており、ウッドコーンスピーカーはこの製品にセットとしてのみ販売されています。
売り場では、バイオリニストの高嶋ちさ子さんのプロモーションDVDが用意されていましたが、さすがにバイオリンの音が再生された時は、目を見張る、いや耳を疑う(それも違う!)、とにかく如何にもバイオリンがすぐそこで鳴っているような感じがしました。
強いて言うならば、木のきしむ音がするとでも言いましょうか。悪い意味ではありません。電気的に再生された音ではなく、木が本来の音源としての鳴り方をしていると言った感じなのです。
バイオリンと言う楽器は不思議な楽器で、主音に対してより強い倍音(高調波)が発生します。この倍音がバイオリンの音色を決定付けている訳ですが、これまでのスピーカーよりこの倍音の再現に優れているのではないかと思いました。
ただ、人の声などの再生では、スピーカーから離れると急に音圧が下がるように感じました。つまり、音のパワーが弱いのです。あと音の定位が安定しないと言いますか、聞く位置によって音源の位置が移動しているように感じました。
この製品に採用されているスピーカーは8センチの口径のものですが、木の薄板をプレスする工程を見るとあまり大きい口径を作るのは難しそうです。トールボーイタイプの製品が試作されているようですが、スコーカーやツィーターだけにウッドコーンを採用したものも期待できそうです。
なんせ周りがうるさい売り場で聴いただけですから、静かな環境だとまた違った印象になったかもしれません。もし興味をお持ちの方は、是非ご自分の耳でお確かめになることをお勧めいたします。
ビクターと言えば、昔からソフトドーム・スピーカーを開発したり、独クルトミューラー社のコーンを採用したり、スピーカーの素材にこだわりを持ったオーディオメーカーです。今回のウッドコーンスピーカーも改良を重ね、名機と言われるようになっていく事を期待しています。