USに国立公園は数多くありますが、その中でも特に人気が高い所のひとつに「ヨセミテ国立公園」があります。そのヨセミテ国立公園の南側の入り口から数マイル離れたところにある「マリポサ・グローブ」に、ジャイアント・セコイアの一群があります。
ジャイアント・セコイアの木は、ヨセミテにはあと2箇所に存在していますが、本数は少ないようです。あと、ヨセミテから南へ行ったセコイア国立公園内にも、群生しているそうです。
2日前に降った雪で道路が閉鎖されていたのですが、前日に再開されて幸運にも訪れることができました。駐車場に着くと既にうっそうとした森の中です。
辺りを見渡すと、確かに巨木がそびえ立っていますが、これまでにも見かけた程度の太さの木です。しかし、駐車場から少し離れた所にある柵に囲われた木は、これまでに見たことがないものでした。
確かに太い!それだけを見るとわかりにくいのですが、回りの普通の木と比べると明らかに異質の物であることを認識させられます。例えるなら馬の足と象の足の違いのようです。また、倒れた巨木がそのまま寝ているのですが、ちょうどNASAのサターン・ロケットが横たわっているようでした。
また、根元から切り倒されて年輪がはっきり判る木がありましたが、木の中心部の年輪は幅があるため(成長が早かった)数えることができるのですが、途中からは年輪の間隔が詰まってくるため、1年分の縞模様をはっきりと区別することができなくなります。
樹齢が3000年前後に及ぶとされるジャイアント・セコイアですが、カリフォルニアの一部にしか現存していないそうです。太古には地球上のあらゆるところに群生していたそうですが、消滅した理由ははっきりしていないそうです。
さて、マリポサ・グローブにあるジャイアント・セコイアの中で最も大きなものは、「グリズリー・ジャイアント」と呼ばれています。樹齢2700年。なるほど、名前から来る印象に違わない豪快な姿をしています。回りに丸太が転がっているなと思ったのですが、それは落ちてきた枝でした。
何度も落雷を受けて、木の中が黒く焦げています。普通落雷はインパルスであるため高周波成分が多いため、電流は表皮効果により一番外側にのみ流れると言われています。
しかし、セコイアの場合は樹皮には損傷がなく、木の内部が黒く炭化していました。おそらく、樹皮は乾燥しすぎていて、電流が流れなかったようです。それだけ、樹皮は丈夫であったと言うことでしょう。
このことは、ジャイアント・セコイアの長寿と何か関係がありそうです。次回は、ジャイアント・セコイアの長寿の秘密に迫ってみましょう。