237.充電池のウソ・ホント (2003/10/29)

私のm100には、ニッケル水素電池を入れて使っています。この電池はアルカリ電池より容量があり、充放電を500回繰り返すことができると言われていますので、大変経済的です。


パームの説明書には、アルカリ電池のみを使用するように書かれています。しかし、パームは様々な電池に対応した電池残量表示に切り替えができるので、ニッケル水素電池も問題なく使えると解釈して、WorkPad30Jの頃から数年間使用しています。しかし、充放電サイクルが500回使えると言う割には、150回ぐらいで充電できなくなるのです。


ニッカドやニッケル水素電池はメモリー効果があるので、完全に放電してから充電するように指示されています。ですから、パームが電池切れの警告を表示するまで使ってから、充電するように心がけていました。


ところが最近になって、ニッケル水素電池の場合は完全に放電するのは、かえって電池にとって良くないと書かれているのを見つけました。パームで警告が出るのは、かなり使い切った状態であったのかもしれませんから、寿命を縮めていた可能性があります。


あるいは、パームのような弱い電流を流し続けるような機器には、ニッケル水素電池は向いていないのかもしれません。いずれにしても、ニッケル水素電池の場合は、あまり最後まで無理して使い切らない方が良さそうです。


サンヨーニッケルカドミウム電池を、サンヨー・カドニカの名前で発売したのは40年ほど前になるそうですが、その頃はメモリー効果などがあるとはわかっていなかったようです。メモリー効果などと呼ぶには、かなり後になって判った現象だと思われます。


昔は、電池といえば懐中電灯かラジオぐらいにしか使わなかったですから、当初のカドニカ電池は機器に組み込まれたものだけで、一般的な規格サイズが出てきたのはだいぶ後になってからでした。


充電池は、過放電と共に過充電も寿命を縮めると言われています。ニッケル水素電池の場合は、充電が完了すると端子電圧が少し上がるので、そのタイミングで充電器をストップさせて過充電を防ぐそうです。


最近よく使われているリチウムイオン電池の場合は、電池内部の温度が充電完了時に少し上昇するので、そのタイミングで充電を止めなければならないのですが、この温度上昇を検出するのは難しいようです。


リチウムイオン電池はメモリー効果がないと言われていますから、充電をする前に使い切る必要はないそうです。特にノートパソコンは、モバイルで使ったりデスクで使ったりしますから、電池の残量をあまり気にしないで充電を開始することが多くなります。


ところが、問題は満充電から少しだけ減った状態から充電を開始すると、温度の上昇がうまく検出できず、充電完了後も充電を続けてしまう為過充電になり、結果的に電池の寿命を縮めてしまうことがあるそうです。


ノートパソコンで、残量が95%ぐらいから充電を始めると、100%になっても充電ランプがついたままになることが多いのはこの為です。携帯電話もほとんどがリチウムイオン電池を使っていますから、同様の事が起こりやすいと思われます。


ある程度使ってから充電した方が、温度上昇を確実に検出でき、過充電を防ぐことができるそうです。


実際の充電器では、温度上昇端子電圧だけではなく充電電流も測定して、確実に充電完了を検出するものもあるそうです。

たかが電池、されど電池。これからも新しい電池が登場するたびに、使い方をマスターしていかなければなりませんね。