198.大阪人の嘆き (2003/09/19)

阪神の優勝から何日か経ちましたが、優勝セールはまだ盛んなようで、大阪梅田の阪神百貨店は言うに及ばず、日本全国で優勝にかけた記念セールを開催しているようです。


デパートで、山のように積まれた奉仕品を見ると、デパート奉仕してくれていると勝手に思い込んでしまい、買わなきゃ損という気になってしまいますが、実はお客さん奉仕している場合もあるのかもしれません。


阪神の優勝に沸いている大阪で、阪神の優勝はうれしいけれど、大阪人として同時に寂しさを感じておられる、Ethanさんとおっしゃる方からメールを頂きました。曰く、道頓堀に大勢が飛び込んでいる姿を見て、また大阪人が笑いものにされてしまうと。一部の目立ちたがり屋がやっていることによって、大阪人全体が馬鹿騒ぎが好きだと、他の地域の人から思われるのが心苦しいと。


ニュースによると、今回は5300人もの人が飛び込みをしたそうですから、これを一部の人間と言うかどうか微妙なところですが、大阪市の総人口を約262万人とすると0.2%になり、1000人に2人が飛び込んでいることになります。


もちろん大阪市以外の人もいたでしょうし、一人で何度もダイブする事もあったでしょうから、正確ではないでしょうが、一部の人と言うには少し多すぎるように思います。これほど多くの人がダイブすると言うことは、優勝したらダイブすると宣言していた人がかなりいたのではないでしょうか。(つまり優勝するとは思っていなかった?)


さて、ここで同じ大阪エリアに住むぱむとろは、大阪人のこの馬鹿騒ぎの原因を分析し、全国の方々に大阪人を理解していただこうと努力してみることにします。


まず、大阪は商人の町でありました。商売をすると言うことは、お客様からへりくだって、もみ手で接しなければなりません。この商人の原則である、「へりくだる」、あるいは「謙遜する」と言うことが、大阪人には根付いているのではないでしょうか。


大阪人は、へりくだる、つまり自分を相手より下に置くことによって、相手に対して安心感を与えるのでしょう。昔の商人ならば、相手に安心感を与えることは有利に取引を進める上で重要でした。


なぜへりくだる為に、大阪人がお笑いズッコケに行ってしまうのかについては、もう一歩文化的背景を調べなければわからないのですが、上方落語に代表されるように、お人よしだが少し抜けているのが、大阪人の典型であるのかもしれません。


あるいは、昔土曜日がまだ半ドンだったころ、学校から帰ってきて家で昼ごはんを食べようとすると、必ず「吉本新喜劇」をやっていた記憶がある人は、自然と「ボケ」と「ツッコミ」が身についているのかもしれません。


対して、東京では「粋」と言う言葉がありますが、本物の江戸っ子のしゃべり方は正にと言うのに相応しいでしょう。経験がないので断言はできませんが、東京ではな人はダサい人より、快適に暮らすことができるような気がします。


東京で、初対面の人が挨拶代わりに大阪人のようにボケをやらかせば、信用をいっぺんに失い、「ダサい人ね!」と思われてしまうでしょうし、大阪では逆に、粋な挨拶でもすれば、「キザなやつ!」と思われるかもしれません。


つまり、大阪人がボケをかまし(大阪では行うことをかますと言います)、東京人がに見せようとするのは、どちらも相手に安心感を与え、信頼を得るための保身術のひとつであると考えることができます。


別の例で考えて見ましょう。一般的にアメリカ人は陽気フランクであると考えられています。確かに挨拶も陽気ですし、飛行機で隣に乗り合わせた人とはすぐに歓談を始めます。


ところが、USに住んでみると、アメリカ人の中には常に陽気な人もいますが、結構暗い陰気な人も多くて、平均すると日本人とさほど変わらないように思えました。


USの国民は、多くの民族が混ざっているので、その文化的背景はさまざまです。その中で、挨拶もせず黙っていると、不信感を相手に与えてしまうでしょう。危険人物と思われるかもしれません。陽気に話しかけ、握手もして、「俺は何も隠していないし、手に拳銃も持っていないよ!」と示すことが、相手に安心感を与えるために必要なのかもしれません。


さて本題に戻ります。大阪人が馬鹿なことをやらかすのは、相手に安心感を与えるために敢えてやっているのであり、本当に馬鹿なのではありません!道頓堀に飛び込むのは、ボケをかまして相手に安心感を与えているのです。だからこそ、きれいな川でなくヘドロで汚れた川に飛び込むのです。


と、へ理屈をたれて結論を出そうとしていたら、ダイエーが優勝したときに福岡でダイブするのを、役所が阻止しようとしていると言うニュースが入ってきました。福岡の人がダイブするには、実は深い訳がありまして、、、、