99.なんでも情報端末4: 空調と照明 (2003/05/18)

さて、なんでも情報端末の最終回は、空調照明です。何となく空調とか照明と言うと、家電の中でも地味な感じがするかもしれませんが、実はこの2つには、他の家電製品にはない特徴があるのです。


まず、家の中の環境を形成する為に使われること。次に、複数台の機器を使うことが多いことです。あるいは、家を建てるときに設計段階から考慮しておくと言うことで、他の家電製品と異なっています。


家の環境の中で明るさは、家の方角や窓の位置、部屋の大きさや使用目的は言うに及ばず、光の演出や全体の雰囲気の調和を考えなければなりません。必然的に、数多くの照明器具をトータルコーディネイトすることになります。


空調も、照明と同様に、複数の部屋がある場合、それぞれの部屋にふさわしい機器を選択しなければなりませんし、全体としてのまとまりも必要になります。全館空調なども実施例が増えてきているようですが、その場合でも各部屋の負荷に応じてきめの細かい制御をしていかなければなりません。


空調と照明は、最近ではリモコンを使って操作することが多くなりましたが、だいたいリモコンを使う機器は、ネットワークにつながることによって、より便利になる事が多いように思います。頻繁に外からコントロールしてやらなければならないから、リモコンが便利になるわけですから、ネットワークで管理される効果が高いと言えましょう。


また、省エネを常に考慮しなければならない機器でもあります。照明や空調を、無駄のないように赤外線センサーや光センサー、温度センサーなどを使って、ネットワークにより自動的に管理することは、それほど難しくはないでしょう。


そもそも未来のSF映画で、部屋の照明やエアコンを、登場人物ががちゃがちゃ操作しているのを見たことがありません。


最近のインバーター式の蛍光灯は、発生する高周波ノイズのレベルを低減し、将来のAC電源を使った通信技術に適応できるように準備を進めています。家電製品で、ACのコンセントから制御信号を受けて、動作するものも近いうちに出てくるでしょう。


海外では、ホームアローンの映画のように、家の照明を、不在の時でも自動的に着けたり消したり出来るそうですが、家庭内のネットワークにつなぐことで、自由にオン・オフが出来るようになるでしょう。照明と空調は、今後まだまだ進歩する余地を残しています。そして、その余地を埋めるのが、ホームネットワークによる集中管理です。


あと数年もすれば、ネットワーク対応の家電製品が、主流になっているかもしれません。今はまだその必要性をあまり感じないかもしれませんが、近い将来、ホームネットワークはなくてはならない物になっていることでしょう。