678.シンクライアント (2008/09/25)

私が働く会社では、宴会の帰りにノートパソコンを置き忘れてしまったり、社外データが入ったUSBメモリーを紛失する事件が目立つようになってきました。


そこで究極の策として、持ち運びができる記憶媒体の存在そのものが危険であると、全社一斉にシンクライアントに近々移行するそうな。


最近はUSBメモリーと言えどもかなりの容量のものがありますし、外付けHDDには丸ごとPCのデーターが入ってしまいますから、情報の漏えいを防ぐにはデーターを管理された場所の外に出さないのが一番確実ということなのでしょう。


働く者の立場で言わせていただくと、以前は家に帰れば仕事のことを忘れる事が出来たものが、ノートPCとインターネットが普及したことをいいことに、家に帰ってからあるいは休日でも従業員をこき使おうとしている会社にそもそも問題があるということではないでしょうか。


まあ、シンクライトになったとしても家で仕事をしなければならないのには変わりがありませんが、大切な顧客情報をどこかで失って解雇されるリスクが減っただけありがたいと喜ぶしかないのでしょうか。


お付き合いのある別の会社では、一切PCの社外持ち出しを禁じていて、必ず社内にあるPCからしかデータにアクセスできないようにしているそうです。多少不便はあったとしても、ビジネスとプライベートを完全分離することが、セキュリティー向上のための確実な方法の一つであることに間違いはありません。


シンクライアントになれば、ユーザーIDやパスワードの管理をより厳密に行わなければなりませんが、ノートPCを紛失することに比べればはるかにリスクは少ないでしょう。


さて、いったいどのようなシンクライアントマシンが採用されるかお楽しみといったところですが、社内の優先順位があまり高くない我が部門のことですから、また長い間待たされることになりそうです。


今のノートパソコンを、それまで壊れないように大切に使うことにいたしましょう。

677.全席優先席の難しさ (2008/09/21)

単身赴任を始めて2ヶ月半が経ちます。「そろそろ慣れてきたでしょう?」とよく聞かれますが、慣れてきたのと疲れてきたのが半々というところでしょうか。


昔はもっと関東関西の違いを感じたものです。たとえば、うどんのつゆの色の違いや女性の服装などには、決定的な違いがあり、またテレビの番組で関西弁を聞くこともほとんどなかったのです。


今や食堂に行けばうどんの関西風つゆが選べるようになっていたり、テレビに関西芸人が溢れるようになりました。うどんなどは関東・関西の違いを超えてどこでも讃岐うどんのチェーン店があったりしますから、昔ほど食文化に違和感を感じなくなったように思います。


電車の中のマナーにしても、車内で携帯電話の通話をしている人の割合には、関西と関東ではそれほど違いがないように思います。


横浜地下鉄をよく利用するのですが、ここでは全席優先席ということで、車内では場所にかかわらず一切の携帯電話の使用を禁じています。基本は電源を切るということになっています。


ただ、なかなか他の鉄道と異なるルールを徹底することは難しいようです。地下線内で電波が途切れるため、さすがに通話する人はいないようですが、メールなどを車内で操作する人をよく見かけます。


先日、年配の方が、その携帯電話を操作していた学生風の若い人に、携帯電話を車内で使わないように注意していました。耆徳な方もいるものだと感心していたら、横浜地下鉄のTシャツを着ておられます。


マナーキャンペーンでしょうか。車内を順番に回って同じような人を注意して回っていました。夕方のラッシュ時の前だったためか車内はまだ空いていましたが、乗客の10人に1人ぐらいの確率で携帯電話を使っている様子でした。


関西の阪急電車も横浜地下鉄と同じく全席優先席を謳っていましたが、結局徹底することができず、1年ほど前から一部の携帯電話電源オフ車両を除き、他の鉄道会社と同じく優先席を車両の一角に設けるようになりました。


その携帯電話電源オフ車両で携帯電話を操作する人がいれば、今でも車掌が車内放送か乗客の席まで行って、直接オフにするように注意をする光景にしばしば出くわします。


本当に心臓ペースメーカーに支障をきたす事故が起こった時に、鉄道会社としては常に注意義務を怠らなかったことが求められるでのでしょう。それに比べると、携帯電話会社による啓蒙は十分とは言えないと思います。


ただ、電源を切ると携帯電話を言えども立ち上げに時間がかかるのもの。以前から指摘されていましたが、改札を通ると微弱なコントロール信号によって携帯電話の電源が自動的に切れるような仕組みがなければ、マナーだけに訴えて電源をオフにするには限界があるかもしれません。


相変わらずコンサートホールで鳴り渡る携帯電話があります。強制電源オフ機能も、これだけ普及した携帯電話を快適に使うために、地味ながらあっても良いかなと思います。

676.洗濯槽には手を入れるべからず! (2008/09/10)

最近、回転中の洗濯機に手を入れて怪我をする事故が相次いでいると、asahi.comで警告しています。


脱水中は洗濯槽が高速で回転するため、ふたを開けてもすぐには止まらず、回転に気付かずに手を入れて指が切断されたり、子供が誤って手を入れて腕を骨折するという重傷になるケースもあるそうです。


2槽式が主流だったころは脱水槽にはプラスチックのふたが付いていて、必ず装着するように但し書きがありましたから、容易には指や腕に衣服が絡みつくことはありませんでした。


全自動式が普及してプラスチックのふたがなくなり、回転している状態で手が入ってしまうことが以前より起こりやすくなりました。また、洗濯槽が2槽式に比べて大型化していますから、絡みついた時にかかる力がより大きくなっています。


あるケースでは、洗濯完了のブザーが鳴ったにもかかわらず、まだ洗濯槽が惰性で回転を続けていて、手を入れ怪我をしたそうです。


考えてみれば、洗濯機が大型化と全自動化により洗濯槽が以前より大きくなり、危険性が高まったにもかかわらず、回転を止めるブレーキ性能が向上してこなかったところに、放置されてきた問題があるように思います。


家電製品協会は、ふたを開けてから回転が止まるまでの時間が、15秒以内でなければならないという規格を設定しているそうです。


しかし、果たして15秒以内というのが妥当な規格なのでしょうか? 15秒以内で止まれば、これらの事故は未然に防ぐことができたのでしょうか?


私は、ただ単にメーカーが低コストで実現できるための規格であるのではないかと思います。


USで生活をしていた時、いくつかのメーカの洗濯機を使っていたことがありました。今で言うところの8Kgとか10Kgぐらいの容量だったでしょうか。乾燥機は別で、洗濯から脱水まで行うものをWasherと称していました。


何せ大型で動作中は大きな音を出しますから、さぞかしふたを開けてもかなり長い時間回転し続けるだろうと思って、脱水の回転が最高速に達したころふたを開けたことがありました。


「カーン!」


金槌で金属の塊を殴ったような音がして、現れたのはゆっさりと揺れている洗濯槽でした。直前まで轟音を立てて回転していたはずなのに、ふたを開けた途端停止しているのです。


もう一度やっても同じこと。洗濯槽は寝起きの如く、ゆっさりと揺らいでいるだけです。


ふたを開けた時の甲高い音とゆっさり洗濯槽! 恐ろしくなりましたね、どうやって止めているのかを考えると。


これは「ブレーキをかけている」というより「衝突している」という感じです。何度も試していると、確実に洗濯機が壊れそうです。


この停止装置の耐久性がどの程度あるのかは判りません。しかし、もし洗濯機が壊れやすいとしても、人間の指や腕を壊してしまう日本製の洗濯機よりは、はるかに安全だったのだなと思いました。