パルマガで機長さんが、USの歳末商戦でパームのZireが、ベストセラーだったと報告されておられます。
日本ではその名前をどう発音するかぐらいしか興味を持ってもらえなかったZireですが、USではその新しい販売形態と低価格でパームの底辺を拡大したようです。
パームUSサイトのZireのページを見てみると、紙の手帳との対比が並んでいます。”積み上がった紙の書類、糊付きのメモ用紙を、便利なZireで置き換えましょう”と書かれています。あくまで紙との比較であり、Hotsyncの事も、”紙だとなくなったら困るが、バックアップができるZireなら大丈夫”といった具合です。
つまり、パソコンが好きな人に売るのではなく、紙のメモで埋もれている人に売ろうとしているのです。それなら、確かにメモ帳のリフィルを文具売り場に買いに来た人の見えるところに、ぶら下げるのが賢い売り方なのでしょう。”まだメモ帳使っているあなたに、もっと良い物がありますよ”と言う感じでしょうか。
ここまで用途と売り込む対象を絞った販売方法は見事です。特に、USの歳末セールといえばクリスマスプレゼントとして買われたのも含まれるかもしれませんが、家族に送るプレゼントを、何にしようかと迷っている人には、目に付くところにぶら下がっていて、値段が思ったより安いということが、必要条件になるのでしょう。
7.パーム販促作戦:ハワイでパーム・トライアル (2003/02/03)
最近、大手の旅行会社では、ハワイ旅行の間自由に使える携帯電話を貸し出すサービスをセットしたツアーを企画しているところがあります。
一緒にツアーに参加した仲間同士の連絡や、現地のツアーデスクへの連絡。あるいは、レストランやレンタカーの予約など、海外では電話に躊躇する場合でも、旅行会社がセットアップした専用電話番号なら、言葉の心配もなく自由に使えます。
旅行会社にとっても、緊急の場合に参加者がどこにいるかを把握できることができ、一石二鳥です。携帯電話をうまく使ったサービスだと思います。
では、ここでパームも一緒にセットにしたら何ができるでしょうか?旅行中必要になる全ての電話番号や住所、電卓で買い物の計算や外貨の計算、トラベラーズチェックの使用履歴、クレジットカード使用記録や支払いメモ、パスポート番号、クレジットカード番号に旅行傷害保険番号の記録。ホテルの部屋番号やセーフティーボックスの暗証番号の記録など。
簡単な観光ガイドから、ハワイの歴史、危険に会わないための注意事項。タクシーに乗って行き先を示す事のできる観光名所一覧。お勧め滞在日数別モデルプラン等々。
浜辺で寝そべって読むことのできる、ノベルやコラム集。パーム・コミュニティーに数多く存在するDOCの数々。
新しいパームウェアが用意できるなら、滞在日時と行きたいところやレストランの好みを入れると、カストマイズされたオリジナル日程表を作成し、アラームで起床時間や、どこにどうやって行くかを時間ごとに知らせるなど(ちょっとおせっかいか?)
免税店では優待券の代わりに、赤外線ビームの名刺交換すれば自動的に優待価格で買い物ができます。あるいは赤外線ビームを使ったウォークラリーはいかがでしょうか?設定されたポイントに行って名刺交換をしてポイントをためれば、帰りの空港でプレゼントをゲット。
このようにして、ハワイ旅行でパームを駆使してエンジョイしたツアー客は、パームの達人になり、帰国後必ずパソコンショップでパームを手に入れること間違いなしです。どこかの旅行会社で試してみませんか?
6.パーム販促作戦:温泉マッサージ機に学ぶ (2003/02/03)
温泉旅館に行くと浴場の脱衣室によくマッサージ機が置いてありますね。普段は、興味がなくても、温泉ならちょっと試してみようかと、座ってみた方も多いかと思います。
この試すということが、その後のマッサージ機の購入に結びつくのです。今や、大きな電気店に行けば、必ずマッサージ機が並んだコーナーがあり、売り上げも順調に伸びているそうです。
一方、パームは、試しにちょっと店頭でいじっているだけでは、良さがなかなかわからないものです。買う気で来ている人にはそれでよくても、買う気のない人には、さっぱり良さをアピールできません。
パソコンも試さなければ判らない物の一つですが、パソコンの場合はすでに会社や学校で使っている人が多いので、店頭では製品の比較ができればよく、パソコンの必要性をアピールする必要はないでしょう。
私は、パームをはじめとするPDAを多くの方に使っていただくには、温泉のマッサージ機のようなお試しを、気軽に、適切なシチュエーションで、もっと多くの人々に試していただくことが必要かと思います。
パーム拡販作戦と称しまして、少し提案をしてみたいと思います。
5.パーム売れてますか? (2003/02/03)
いまいちパームを含めたPDA全体の普及率が上がっていないようです。逆に、ここ1-2年で通勤電車でパームを取り出して使っている人を見ることが少なくなってきているような気がします。
IBMやハンドスプリングが日本市場から撤退したり、果てにはパーム・コンピューティングまでが日本法人を解散していれば当然ですが、もう少し存在感が欲しいところです。SONYによる怒濤の新製品ラッシュも、独り相撲になりかねません。
パソコンショップでPDA売り場に行っても、購入しようとして覗き込んでいる人が少なくなってきているような気がします。1年ぐらい前なら、勤め帰りのOLが2-3人でPDA売り場で相談する光景を見かけたものですが、最近見かけませんね。そういえば、ハンドスプリングは、以前は女性雑誌の裏表紙にバイザーデラックスの広告を出していました。
店頭で興味を持ってお買い上げになるのが難しいなら、少し私なりの拡販作戦を考えてみました。
4.PDAとは何か? (2003/02/03)
パームをはじめとする小型ハンディー電子機器の総称として、PDA(Personal
Digital Assistant)という名称が使われています。かなり広い範囲をカバーする名称ですが、パソコンも含まれるような気がしますし、携帯電話も入ってしまいそうです(アナログ処理を内部でしているというツッコミもあるでしょうが)。
それならパーム・コンピューターやハンドヘルド・コンピューターのほうが、個人的には分かりやすいので好きです。ここでは、手のひらサイズのコンピューターを、取りあえずハンディー・コンピューターを呼んでおきます。
携帯電話とPDAが比較されたり、お互いのシェアを取り合うことが起こるのですが、結局は、ハンディー・コンピューターのハードウェア筐体に、入れて便利な機能が、電話であったり手帳であったりゲームであったりする訳で、パソコンと同じようにOSの勝負になるだろうと思います。機能の違いはアプリケーションで対応するのです。
もし、日本の携帯電話が、パームOSを開発プラットホームに採用したなら、携帯電話にPDA機能は自然と搭載されるでしょうし、パームに電話を内蔵した新しい機種が誕生したことになります。もし、日本の携帯電話が、他のOSを採用してしまったなら、少なくとも日本においてはパームの普及は、ありえないでしょう。今までパームをPDAとして使っていた人でさえ、携帯電話内蔵の他のOS機に買い換えるのではないでしょうか。
PDAを今使っている人の中で、携帯電話とPDAがひとつになればいいと思っている人は多いでしょう。ハンドスプリングのように、電話一体型のPDAの誕生には、日本の携帯電話会社へのパームからのアプローチが必要です。IBMがLinuxによる開発プラットフォームをシャープと共同で発表していますし、WindowsCE陣営も、何か手を打ってくるでしょう。
こう考えると、パームの将来性を考える時、ハンディー・コンピューターのOSと携帯電話の動向が重要になってきます。パームが、これまでのソフトウェア資産やサポート体制、そして何よりも貴重なパーム・コミュニティーという人的財産のバックアップを生かして、ハンディー・コンピューターのOSとして長く君臨することを願うのであります。