独自ドメインを考える上で一番気になるのが、トップレベルドメイン(TLD)でしょう。これによってドメインの登録や管理の費用が大きく異なってきますし、信用や安定性もそれぞれに違いがあります。
最もよく知られている".com"(ドットコム)を始めとして一番馴染みがあるのが、gTLD (generic Top Level Domain)です。世界中の人が登録することができ、また歴史が長いだけあって、多くのドメインが登録されています。
社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンターのサイトには、ドメイン名に関する統計が掲載されていて、gTLDの統計も見ることができます。
現在2004年11月のデータが最新のものですが、主なものをリストにしてみました。
TLD | 総登録数 | 日本国内登録 |
.com | 32,980,933 | – |
.org | 3,346,608 | 35,279 |
.net | 5,304,647 | – |
.info | 2,934,331 | 43,745 |
.biz | 1,104,363 | 14,588 |
.name | 231,201 | 17,055 |
.pro | 2,325 | 16 |
これを見ると、ドットコムが1桁違いで他を圧倒していることが解ります。また全てが日本国内の登録数を公表しているわけではありませんが、それぞれの1%前後が日本からの登録となっているようです。
gTLDにはさらに航空関連や博物館関連などの特殊なTLDがあります。またgTLD以外にも、米政府や米軍用等の特殊なTLDがあるようです。
一方、世界中の誰でも登録できるgTLDに対して、国や地域ごとに割り振られたccTLD (Country Code Top Level Domain)があります。国や地域ごとに管理する機関が異なっており、登録者の所在地などに制約を受ける場合があります。
日本の場合は、JPドメインが使われています。これには、大きく分けて属性型・地域型JPドメインと、汎用JPドメインがあります。2005年3月1日現在、属性型・地域型JPドメインの登録数は330,197、汎用JPドメインの登録数は346,515となっています。
汎用JPドメインが始めて属性型・地域型を抜いたというニュースがありましたが、特に最近は汎用JPドメインの登録数が伸びているようです。
属性型JPドメインは、団体や組織ごとに1つのドメインしか登録できませんし、代表者の印鑑証明を提出しなければならなかったりと手続きが面倒で、登録数が今後も飛躍的に伸びる可能性は低そうです。
また、汎用JPドメインが登場する以前は、個人でJPドメインを取得する場合、地域型と呼ばれる所在地を含めたドメイン名を使わなければなりませんでした。結果として長いドメイン名になってしまい、使い勝手の良いものではありませんでした。
そこで、2001年から新しく登場したのが、汎用JPドメインです。所在地が日本国内でありさえすれば、誰でも数に制限なく登録できますし、".jp"が付くだけの短いドメイン名が可能ですから、個人での登録がこれまで以上に増える結果になったようです。
また、企業にとっても数の制限がなくなったため、製品名やキャンペーンごとに異なるドメイン名を取得するケースが増えているようです。これまでの".co.jp"には主に企業情報を掲載し、".jp"には製品情報を掲載すると言ったように、ドメインを使い分けている企業も増えています。
汎用JPドメインでは日本語をドメイン名に使う事も始まっていますが、WEBブラウザーやメーラーのサポートが必要ですから、思ったようには伸びていないようです。ただ、日本語を始めとする国際化ドメイン名は、日本語以外にも多くの言語をサポートしますから、今後は各国内のみを対象にしたサイトで需要が増えそうです。
日本語を使ったドメイン名は、汎用JPドメインに限らず".com"や".org",".net"でも登録できるようになっています。入力された日本語を変換してASCIIにするため、通常では使われることのないようなASCII文字列をドメイン名に使うことができますから、TLDの資産をより有効に使うことができるでしょう。
では次回は、JPドメイン以外のccTLDにはどのようなものがあるかを簡単に紹介した後、気になるドメイン登録・維持の費用を見て行きましょう。