Project Palmの機長さんが、「見失った地図」というコラムの中で、地図出版大手のアルプス社が民事再生法の適用を申請したニュースに触れられています。
アルプス社と言えば道路地図のアトラスシリーズを始め、パソコン地図情報ソフトのプロアトラスやインターネット地図検索のMapionなど幅広く地図情報を提供してきましたが、デジタル地図の製作コストの増大や電子地図の売り上げの減少によって、経営が行き詰まったそうです。
地図と言えば、従来の出版されるものにしてもカーナビゲーションの為の電子地図にしても、常に最新の情報によって改訂を続けて行かなければなりませんから、その作業コストは多大なものになるのでしょう。
USで自動車旅行をしようと思ったら、大判の道路地図1冊あればどこにでも迷わずに行くことが出来ます。日本のJAFに相当するAAA (American Automobile Association)が毎年発行するロードアトラスは、書店で購入することが出来るのですが、キャンペーン中ならわずか5ドルほどで買うことが出来ます。
インターステートや国道、州道のすべてがエリアごとに見開きになっており、大都市近郊の地図も適宜掲載されていますから、もうこれ以上の地図は要りません。この大判の地図が大きすぎる場合は、AAAのメンバーに無料で配られている、ハンディーサイズでほぼ同じ内容の地図を使うこともできます。
これに比べると日本の地図は高いように思います。確かに本屋で売られているものは立派な装丁がされていますが、逆にそれが使いづらかったりします。値段が高いためになかなか最新のものに買い換えることが出来ないことも、売り上げが伸び悩んだ原因になったのかも知れません。
ところでカーナビゲーションを使い始めると、地図を見ることが少なくなると言います。ディスプレーに表示される地図を見るよりも、音声案内に従う方が楽だからです。
日本人は地図を読む能力に優れていて、なかなか他の国の人々には真似の出来ないことらしいのですが、カーナビの普及によって、日本人の地図を読む能力が失われることがないようにしたいものです。