641.半導体テクノロジー (2007/06/24)

梅雨に入った途端に真夏のような日差しの日になったり、一転して断続的な大雨が降ったりして、異常気象を実感させる天候が続いております。しとしと、じめじめといった梅雨のイメージは過去のものとなってしまいました。


先週は、京都で半導体関係のシンポジウムがあり、デバイス開発に関するいろいろな話題に触れることが出来ました。


10年ほど前までなら、最新の半導体技術を使ったデバイスと言えば、大規模なハイエンド機である大型のサーバーや高速演算を行うコンピューターに使われていることが多かったのですが、最近は家庭用のDVDレコーダーゲーム機等にも多く使われるようになってきました。


シンポジウムにおける半導体デバイスのトレンドをみても、そのキーデバイスはゲーム機等のかつてはローエンド機と言われた市場が牽引しています。


半導体の進歩と言えば、少し前までのテクノロジーなら写真製版技術であるリソグラフィーの精細度が高まっていけば、自然と動作電圧が低くなり、高速化と低消費電力化が同時に実現できました。


ところが、90nm以降のテクノロジーにおいてはそう単純な話ではなくなってきています。


これまでのテクノロジーでは、世代が1つ上がるごとに寸法が0.7倍になるスケーリングファクターと呼ばれた一律の縮小率が成り立っていたのですが、最近の進んだテクノロジーではマスクレイヤーごとに異なる縮小率を採用しなければならないなってきました。


また、最小加工線幅が光の波長に近づくにつれて、寸法制度が求められる特定のマスクレイヤーには露光波長の位相を考慮した設計が求められてきています。


また、精細度が高まってデバイスが小さくなれば、酸化膜厚も同時に薄くなっていたため動作電圧をさげる事が出来ていたのですが、これも成り立たなくなりつつあり、速度を維持するためにはかえって電圧を上げる必要が出てきました。


ですから、一部のテクノロジー競争が過熱したゲーム機やグラフィックカードが、真っ先に新しいテクノロジーを採用したデバイスを開発しようとするのに対して、製品の差別化に新しいテクノロジーを必要としない製品分野では、90nmはおろか130nmまでの枯れたテクノロジーで、しかもすでに償却された低コストの製造ラインを使った部品が使われることが多くなってきています。


この状況が一過性のものではない場合、半導体のテクノロジーの進歩が限界に来ていると同時に、半導体が搭載される製品がもはやこれ以上のテクノロジーを必要としていないと言うことになるのかも知れません。DVDがさらに進化した次期光デバイスであるブルーレイディスクやHV DVの市場が、いまだに光ディスク全体の1%にしか満たないという現状に似ているでしょう。


一方、半導体の分野もRF無線技術をCMOS論理回路と混載することが出来る、シリコン・ゲルマニウムなどのテクノロジーが大きく成長し、携帯電話の高性能化に活かされています。


今回のシンポジウムの発表をいくつか聴いていて、さらに新しい半導体技術のトレンドが生まれつつあるように感じました。

640.TYPO3と奮闘中 (2007/06/04)

サイトの更新をサボっていると、あっという間に日が経ってしまいます。五月は一回も更新しないうちに終わってしまいました。歳を取るのも早いはずです。(あまり意味なし。)


実は、ここしばらく少しずつではありますが、密かにCMSの勉強をやり始めております。数ヶ月前、レンタルサーバーをグレードアップしたのですが、その目的はCMSを使ってサイトを構築することでしたから、そろそろサーバーの機能を有効に使いたいと思っておりました。


そもそもサイトをBlogに移行したのは、ホームページビルダーではサイト更新の度にインデックスやリンクを同時に変更する手間が大変になってきたためでした。Blogを使ったのは、日記サイト構築ツールというよりは、コンテンツ・マネージメント・ツールとしての機能を利用するためでした。


もちろん、Blogが個人サイトの運営における潮流になっていたのに乗っただけといわれれば、確かにそのとおりであります。しかし、当サイトは、コメントやトラックバックといったBlogを特徴付ける機能の恩恵をあまり享受できないため(俗に言う「不人気サイト」!)、Blogにこだわる必要もないだろうと考えていたわけです。


今使っているさくらインターネットのスタンダードプランでは、BlogツールのMovableTypeと並んで、CMSツールのXOOPS対応を謳っており、以前からXOOPSをインストールして試しておりました。


ただ、XOOPSの機能を拡張するためには、希望する機能を提供してくれるモジュールを探してきてインストールしなければならないのですが、探し方が悪いのでしょう、なかなかうまく情報に行き当たらないのです。そこで、もう少し初心者向けのCMSはないものかと、検索サイトで物色を始めてみました。


すると出てくるは出てくるは。"CMS Matrix"というサイトには、オープンソースのCMSだけでも700以上ものソフトウェアがリストアップされています。


このサイトでは、いくつかのツールを選んで機能の比較をすることができ、また比較項目ごとにランキングされており、セキュリティーやサポート、パフォーマンスごとに、どのツールの評価が高いかを表示することができます。


例えば、フレキシビリティーの項目では、




  1. FlexCMS 9.99
  2. MySource Matrix 6.87
  3. TYPO3 6.84
  4. Plone 6.80
  5. MODx 6.76
  6. eZ publish 6.66
  7. DotNetNuke 6.50
  8. Drupal 6.49
  9. Xaraya 6.46
  10. ExpressionEngine 6.43



を筆頭に、延々とツールが順位別に並んでいます。


いろいろな評価項目における順位をながめておりますと、総合的に高い評価を得ているツールがいくつかありました。TYPO3はその中のひとつで、ヨーロッパを中心に盛んに利用されている、ドイツ発祥のツールのようです。


サイトを覗いてみますと、なかなか手ごわそうなことが書かれています。"Hi,
and welcome to TYPO3!"というツールの紹介ページには、「もしあなたが勉強に1ヶ月を費やす余裕がないなら、誰かの助けを借りるか、どこかよそのCMSツールを探しなさい。」と書かれています。Welcomeという割には、かなり突き放した対応のようです。


曰く、フレキシビリティーと豊富な機能(Richness)には、複雑さ(Complexity)が付き物だと。


さらに続きます。TYPO3は、とても巨大で能力が高いので、すべてを知るためには1週間では無理であり、常にサイトの開発者は長いLearinig
Curveを必要とするとあります。


不用意に検索サイトでTYPO3の記述を探すと、やたらドイツ語のページに行き着いてしまいますが、ドキュメントやビデオによる解説も豊富にあるようですので、気長に勉強するのにネタは十分ありそうです。


どうせ、XOOPSも良く分からなかったですから、TYPO3も良く分からなくて当然と言う構えで、ビデオを使った独習を始めてみました。


年末までに今運営している同窓会のサイトを改良しようと思っていますので、そのときのツールとして採用することをとりあえず目標として、のんびりと勉強してみたいと思います。(のんびりしていては年内には無理かも知れないが。)